高校受験の合格発表を見に行ったときの話
当時妙に成績の良かった俺は塾や学校の勧めで都内の超進学校をいくつか受験した。
そのうち一校の合格発表を見に行ったときのことだ。
約二時間程電車に揺られる間、俺は暇つぶしにMDを聞いていた。
耳にタコができるほど聞いていた一枚。
そのまま聞いても飽きるからランダム再生で聞いていた。
20分程聞いてふと気づく。
再生を始めてから流れた曲はトラック2と5と3。
奇しくも253番は俺の受験番号である。
不思議な一致があるものだと思っていると次にトラック7が流れ、次にトラック1が流れる。
ここで俺の頭に嫌な予感が走る。
この曲が終わってトラック4が流れたら「253714」
無理やり語呂合わせすると「253番無いよ」となり、あたかも俺の受験失敗を予言しているかのようではないか。
嫌な予感にとりつかれたままトラック1を聞き終わると、次に流れてきた曲はまさかのトラック4。
俺はMDの電源を切った。
合格発表の掲示板に俺の番号は無かった。
結果的にそこは俺が唯一落ちた高校となった。
10数年経った今ではただの偶然、こじつけだと頭では理解している。
しかし全14トラックからこの順番で曲が再生される確率を思うと、何かおかしな力が働いたような気がしてならない。
不可解な体験、謎な話~enigma~ 84