祖父の話
若い頃の祖父は林業を生計をたてていた。
ある日祖父はそろそろ出荷するための木を選んでいる時に、道の真ん中に不思議な物が落ちているのを見つけた。
手に取ってみると、其は表面に美しい堀込のなされた瓢箪で出来た水入れで、中に何か液体が入っていた。
蓋を開けて中身を少し地面に垂らしてみた所、どうやら血の様だった。
急に恐ろしくなり家に逃げかえり、次の日にまたそこへ行ってみると瓢箪はなくなっていたが、代わりの様にカラカラに干からびた鼠と烏が打ち捨てられていた。
山にまつわる怖い話26