俺のゼミの教授は幽霊とか信じないタチだが、どうやら霊感があるらしく、「居るんだろうとは思うが信じない」ということを前置きしてゼミでよく幽霊話をしてた。そのときの話。
俺の教授は早稲田出てるんだが、当時東大近くのオンボロアパートに住んでたそうだ。
で、隣におばちゃんが住んでて、このおばちゃんとやらが世話好き・話好きの人だった。
しかも夜になると延々と誰かと喋ってるのが聞こえる。
そのアパートというのが、壁の隙間から隣の部屋を覗けるんだと。
で、ある日あんまり隣のおばちゃんの話し声が聞こえるんで、ついつい壁の隙間から隣の部屋を覗いてしまった。
そしたら、そのおばちゃんがこっちに背を向け、卓袱台を囲んで、なにもない空間に一心に話しかけてた。
そのとき教授は、おばちゃんの向かい合わせの何もない空間の方に置かれた湯のみを見て、なんだかわからないが物凄くゾッとし、それ以来、夜そのおばちゃんが話し始めると怖くて仕方がなかったそうだ。
「その人頭おかしかったんですかね?」って俺が聞いたら「そんなの考えたくないよ」って笑ってた。
ちなみに教授がそれでも引っ越さなかったのは、近所の東大でドサクサに紛れて風呂に入れるから、だったらしい。
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