ロジンサマ

14年くらいまえの話。

当時小学校四、五年だった俺はひいおばあさんの葬儀のため、おばあさんの実家に行った。
俺が物心ついてから、よくおばあさんはその実家に連れて行ってくれていたため、ひいおばあさんとも仲が良かった。
だから俺は凄く落ち込んで葬儀の後に一人裏山の畑横の道をススキを手折りながら歩いていた。

気付くとむこうから巫女さんの様な格好をした…赤であるべき部分は青っぽい黒だったけど、そんな変な女性が歩いてきた。

そして俺の前で止まり軽くお辞儀をした。
俺は知らない人だったけどとりあえず「こんにちは」と挨拶をした。

そのとき後からおばあさんが呼ぶ声が聞こえた。
振り返って返事をし、もう一度前を見たらもういない。
怖くなってすぐにおばあさんのもとに戻った。
帰りのバスの中でおばあさんに会った女性の話をした。
そんな変な人物は知らないと言っていた。

そして、11年後。
大学の地層、地質に関するレポートの作成のため再びその地を訪れた。

その時は一人じゃなく友人二人と一緒に三人で訪れていた。

崩落部分をデジカメで撮影し、帰ろうとしたとき友人の一人がいきなりうめいた。

そいつの指差す先には何かバタバタ暴れている人間の様な猿の様な生き物がいた。
それよりも驚いたのはその傍らにナタのような物を持った黒い巫女のようなあの女性が!
見るとナタを何本もその変な生き物に投げつけて殺そうとしている。
友人の一人は震えながらスクープだとか大ニュースだとかいいながらデジカメで写している。
ともう一人の友人が急に悲鳴をあげた。
「こっち見てる!」

その後慌てて車で逃げかえった。
帰りの車の中で皆騒いでいる。
「なんだあのばあさん!」
「ばあさん?まだ若い女の人だったろ?!」
「いやばあさんだった!」

そしてデジカメをいじっていた友人がポツリと「データ消えてる…」と呟いたからまた皆大騒ぎ。
オカルトだオカルトだ叫びながら何とか帰ってきた。

しかし落ち着いて考えると随分子供っぽい話だな…といいあい、あれは幻覚だったと話あって別れた。

後日、その話をひいおばあさんの実家を管理している大叔母さんにしてみた。
すると「それはロジンサマじゃないか?」と言う答えが。

しかし分かったのはロジンサマとかいう名前だけ。結局正体は未だ分かってはいない。
誰か類似した話を知りませんか?

 

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