①中学の頃聞いた社会科の教師の夢の話。
子供の頃、風邪を引いて高熱を出した時に同じ夢を見たという。
どこかの部屋の真中に自分がいる。窓の右端に視点がある。
カーテンがそよそよと揺らいでいるのが見える。
そこからゆっくりと時計回りで視点が動く。
360度、回転するカメラのように。
タンスがあって、机が見えて、窓の反対側の壁にドアがある。
そんな風に少しずつ回転しながら、先の窓に視点が戻っていく。
部屋は薄暗くて、なんだか怖い感じの雰囲気。
窓に近づくのがヤバイ気がする。
そこまで行ったら、どうなるんだろう。
好奇心と恐怖で見ていると、いつも窓に行く前で夢が終わる。
大人になるにつれて、いつの間にか見ることはなくなった。
社会人になったある時、徹夜をして車を運転していた。
運転中、ひどい眠気が襲ってきた。
すっと眠気に引き込まれ、あの夢を見た。
窓の右端に視点があり、ゆっくりと時計周りで景色が動く。
タンスがあって、机が見えて、ドアがある。
もう少しで窓に近づくというところで、目が覚めた。
気づいたら、車は路肩で停車していた。ハザードが付いていた。
「守護霊が守ってくれたかもなぁ」と笑った後、「あの窓を見たら俺は死んでたかもしれん」とつぶやいた。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?106