夢といえば…で思い出したのでまとめてみた。
まだ私が小学生だった頃の母の話。
夢の中で、美しい河原を歩いてたそう。
そしたら母を迎えるように、綺麗な女の人がいて「よく来たね~よく来たね~」と、とても歓迎してくれた。
その人の神々しいくらいの美しさと、自分を包み込む幸福感に我を忘れそうになった時、その人が、母の着けてる青いブローチに気付いてさっきまでとは豹変した恐ろしい形相で
「何でそんな物を着けてるの!それをはずしなさい! 早く外してこっちによこしなさい!」
と迫った。
母がその異常な勢いに恐ろしくなったところで目が覚めた。
実は、その夢を見る前に一度目が覚めた母はその前に見た怖い夢(内容は憶えてない)に怯えたそうだ。
で、その当時通ってた霊能者(?)から貰った袈裟、と母は言ってたけど紺色のたすきみたいなものを魔除けとして枕元に置いて寝たと。
翌朝その話をしてくれた母は
「あのブローチは袈裟だったのかな。 もしあれを枕元に置いてなかったら、連れて行かれたんだろうか?」
とびびってた。私もびびった。母のうなされる声を聞いてたし。
そして後日談。
その霊能者の所には、母が知り合いの人に紹介してもらって行ったらしい。
今考えると、ちょうどその頃兄が良くない友達と付き合っておかしくなってたから母はそれで悩んでたんだろうと思う。
私も母と行ったけど、果物とお菓子と多分お布施の封筒をお供えして、20人くらいの信徒と、お経っぽいものを唱えたのを憶えてる。
ところが、その夢の事があってからしばらくの間何なかんだと用事があって、まるで何かに邪魔されるかのように、その霊能者の所に行けなかった。
それどころか、紹介してくれた人とも連絡がとれなくなった。
ようやく母が都合をつけて行ったとき。
その場に何か異様な雰囲気が立ち込めていた上に、母に向けられた皆の目がどこかうつろだった。
入るのを躊躇した一瞬、祭壇に供えられてる不自然な形の包みを見た母は怖くなって、そのまま帰ってきたんだと。
見間違いかもしれないし、それが何かは今だにわからないけど、包みには赤い沁みがあって、それを認識したとたん、この場にはいられないと感じたらしい。
後日、ご近所ネットワークでそこを紹介してくれた人が失踪していたことが伝わってきた。
旦那さんのギャンブルがどんどんエスカレート、借金取りはくるわ、DVが始まるわで、とうとう逃げたんじゃないかって。
多分、夢の女性は本当は母を守ってくれる存在であの霊能者と関わると良くない事を教えてくれた。
というのが真相だったんじゃないかと、今は思っています。
ちなみに、兄は現在普通に会社員で結婚もしてる。
母は今は「ご先祖様と氏神様を大切にするだけでいい」と言ってますw
ほんのりと怖い話53