自動販売機

寝苦しくて目がさめた。夜中の2時半だ。
喉が異常に乾いてしょうがなかったので、近くの自販までジュースを買いに行く事
に。

家から歩いて三分程のところにある古い自販機だ。
その自販機は良く行くレンタルビデオ店に付属しているもので、今時ALL100円なので重宝していた。

自販機に着いて、100円を入れようとしたら落としてしまった。
100円はころころ転がってビデオ屋の正面入り口で止まった。ビデオ屋は夜1時までの営業なので中は当然真っ暗だ。
100円を拾おうとかがみこみ、ふと目の前をみると自分がガラスに映っている。

その直後、私は凍りついた。
私はまだ座った姿勢なのに、ガラスに映った自分は100円を拾い上げて自販機の方へ歩いていく。そして「ガチャ」という音と共になにかのジュースを買って引き返して行くガラスに映った自分。
そのまま歩いて行って、ついに座ったままの私を通り越し店のガラスがなくなったところで、当然私の映った姿も消えた。

その時、
「ガッッシャー」
物凄い大音響が響き渡った。
そのあと、
「ドサッ」
と何かが落ちたような音が。

私はジュースを買わず、死ぬ物狂いに走って家に帰った。
それからその店には近づいていない。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?73

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