猟師が登る用の小さな小道

不可解のスレの方がいいかもしれないけど、うちの実家はものすごい山にあって、近所に家なんてなかった。
家のすぐ横には猟師が登る用の小さな小道があって、小さい頃はそこを通る猟師に手を振ったりしてた。

確か大晦日の日、テレビ見てたら母親が
「今、小道に誰か来たね。」
と、ボソっと言った。
こんな夜中(12時とか)に猟師来るはずねーじゃんと姉と言うと
「いや、来てるよ。呼んでるよ。」
と、なおも言う。

「誰を呼んでるんだよ。聞こえねーよ。」
と、返すと母親が
「アンタだよ!」
と、大声出したんでチビリそうになった。

母親がしつこく
「誰か来た。困った。どうしよどうしよ」
とブツブツ言うんで、姉と縁側の窓から覗いて見た。
そしたら、暗闇の中、小道の入り口のとこに黄色い浴衣みたいのを着た頭のでかい女の人がいた。

見た瞬間、姉と悲鳴をあげながら母親のいる茶の間まで戻ったら、母親はコタツでコーヒー入れながら
「ね、いたでしょ?パパとお婆ちゃんには内緒ね」
って言った。

そのあと、あれは何なのか問い詰めたけど教えてくんなかった。
高校卒業するまで、夜は小道をみないように過ごしたし、いまだに大晦日を実家で過ごす時はビクビクしている。

山にまつわる怖い話62

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