今日あった話で、微妙な話です。
うちには大型犬がいて、その犬の散歩に自宅から車で少々走って、山の中に連れて行く。
国有林の中を林道が通っていて、一応ハイキングコースもあるけど普段は誰もいない(早朝にいくし)
10mくらいのロングリードで犬を繋いで、犬はにおいをかぎながら結構な早足で自分の前を歩いていくのが常だった
いつもは、林道を通るだけだったけど、今日は休みだったので、林道から枝分かれしている別の山に行く登山道に入ってみた。
というより、犬がかってに入っていった。
しばらく狭い道を登っていくと、沢があって、わたりきったところに積み石がいくつもあった。
「林業の人が置いていってんのかなー」と思いながら、更に上に上っていき、山腹にごく細い道がはりついているような場所に出ると、数日前の大雨でか、ところどころ地すべりして道が崩落している。
携帯の電波が入らない山奥だし、犬が引っ張ったりして落ちたらまずいとおもい
犬に「帰るよ」と声をかけたところ、犬の表情がぱっと、「犬の笑顔」というべき、口角があがって、少し口を開いて、目を細めて、耳を伏せるという、ニコニコした表情にかわった。
そしてそのまま、背中に手を突いて登山道から落とされそうになった。
その時は、呼んだ声に反応して嬉しかったあまりの行動か?と思い「そんなんしたら危ないやろ!!」と結構強めに怒ったのだが、犬は相変わらずニコニコしている。
そしてこちらを振り向いてニコニコしながら自分のすぐ前を歩き始めた。
「あれ、こいつちょっとおかしくない?」と思い、犬の名前を呼んでみたがニコニコしているだけ。
普段だったらさっさと先に行ってしまうのに、ずっと自分の前にいる。
ずっと振り向いて笑いながら歩いている。
何より、崖っぽい場所にきたら自分が通り過ぎるまで待っていて背中に足を掛けてくる。
さすがにちょっとヤバいんじゃね?何か変なもの入ってないか?
と怖くなった。
最後に沢を越えるときにも、犬は自分を待っていて、相変わらずニコニコしてたけど、もう相手するのも怖かったから無視して渡った。
無事林道まで戻って、気づいたら犬は結構前までリードを伸ばして、早足で歩いていた。
家に帰ってからも普通なんだけど、一体何だったんだろう。
でも、犬が言葉しゃべれなくて良かったとこれほど思ったことはありません
山にまつわる怖い話64