オバケになるぞ

小さい時の話です。

ある日、兄がカブト虫の幼虫を沢山取ってきました。
僕も、欲しくなり何処で取って来たのか、聞きましたが教えてくれません。
僕は、裏山だと思い、次の日友達と2人で裏山に行きました。

幼かった僕たちは、カブト虫の幼虫がどんな所にいるか、判りませんので手当りしだいに掘って行ったのですが、もちろん取れません。
僕たちどんどん山の奥に、入って行きました。
すると、ちょっと土の色が違う所を、発見しました。

「きっとここだよ。」 僕たちは嬉しくなり、掘り出しました。
すると、急に後ろから「君たち何やってるの?」と声がしました。
振り返ると、見知らぬおじさんが 立っていました。
僕たちは「カブト虫の幼虫 見つけてるんだ」言うと、おじさんは「そんな所には、いないよ。他を探したら」と優しく言いました

でも僕たちは「掘った跡もあるし、きっといるよ」と掘り続けました。
・・・・・・・・少し間が空き 不意に静かな声でおじさんが、言いました

「それ以上掘ると、オバケになっちゃうぞ」

オバケの言葉にびびって掘るのを、止めるとおじさんは、ニコニコしてカブト虫の幼虫の取れる所に、手を繋いでつれて行ってくれました。
おじさんの手が震えていたのを、憶えています。

今思うと 何が埋まっていたのか、そして、オバケがでるぞ!じゃなく オバケになるぞは、言い間違えただけなのかは、判りません
総ては、裏山の中に、埋まっています・・・

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?63

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