じいちゃんの話

死んだじいちゃんの話

汽車で某化学工場に毎日通ってた。
ある日、汽車にのると、明らかに様子が違う。

綺麗な内装で汽笛の音もしない。
いつもは工場通いの人たちも大勢乗るのにがランとしている。
そして風景もおかしい。
田舎なのでいつもは小さい田んぼが広がっているが、大きく四角に整備された田んぼばかり。
家は外国みたいな感じだったと言う。
数人の客は、風代わりな格好で、手に位牌みたいなのを持って見つめていた。

爺さんはあの世へ行く汽車に乗っちゃったんだと思ったらしい。
妙な声が聞こえて、次の駅に止まったときに扉が開くと同時に飛び降りた。
そしたら、そこはいつも降りる駅だったそうだ。

そんな話を聞いていたんだが、以前、俺が電車に乗っていたとき、変に古臭い格好をした青年が乗ってきたことがある。
最初は乞食かと思って、iPhoneをいじりながら無視してたんだけど、キョロキョロして挙動不審だったなぁ。

そいつは乗ってきた次の駅で慌てた様子で降りたけど、それが爺さんだったのかもしれんなぁ。
まぁそんなことはないと思うが。

不可解な体験、謎な話~enigma~ 92

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