自殺霊

数年前、沖縄に旅行した時の話です。

沖縄の米軍基地近くにある賑やかなショップ街にいる占い師に、500円で占いしてもらえると話を聞き行ってみることにしました。

そのショップ街には3人の占い師さんが常駐しているようです。
そのうちの1人の占い師さんにだけやけに人が並んでいました。
ただの占いだしこんなに並ぶのは…と私は乗り気ではなかったのですが、友達がどうしても…というので並ぶこと1時間。

占いの順番近づくたびに何故か寒気がし、歯がガタガタ震えるほどの寒さ。
夜だとしても夏の沖縄だし、風も温かく寒いはずがありません。
その証拠に寒がっている人は誰もいなく、友達も寒くないと言っているし確かに私も体が寒いというよりは心臓が震えるような感じでした。

占いの順番がきた時には、もう話すのが必死なほど歯が震えていました。
そして私を見て占い師さんが「あなた自殺霊が憑いてる」というではありませんか!
ギョッとしました。
憑いている理由もわからないし、憑くようなことも場所にも行っていません。
心当たりが全くありませんでした。

さらに占い師さんは
「そのままにしておくとあなたも同じ運命たどるわよ。あなたの守護霊は弱く流されやすい。すぐにでも近くの神社に72円を納めなさい。そしたら去ってくれるから」
と言い、もう恋愛運どころじゃありません。

そして占いがひとしきり終わり占い師のもとを去ると、あんなにひどかった寒気が徐々に引いていったのです。
それもやけに不思議だったのですが、ふと友達が
「幽霊が憑いてる人って視える人に会うと幽霊が怯えて寒くなるらしいね」
というもんで、このままにしておくのも気味も悪いので護国神社に行って72円をお賽銭しました。

沖縄旅行のあと親戚のおばさんが私の顔を見て一言「顔が変だったのが治ってる!」と。
なんとまぁ失礼なことを・・・と思いつつも「何が変だったの?」聞いてみると「旅行前はあんたの眼の中に誰かがずっと写っていて身体も黒い煙に包まれていたけど、怖くて言えなかったの」という。
そしてさらに「言いにくいけど、あんたの元カレの写真にも同じ黒い煙が写っていたよ」と続けました。

その一言で私に自殺霊が憑いていた理由が分かったのです。

元カレと付き合っていた頃、私の家に彼が遊びに来たことがありました。
彼はいつも通りにしていましたが就寝直前に
「実は俺、ここに来る時、人身事故見ちゃったんだ。電車に乗ってて、ふと前を見たら人が飛び降りてさ」

彼はいつも先頭車両に乗っていて、その電車が人身事故を起こし、彼は事故にあった男性を見てしまったという。

お葬式でも人の死にあったら家に入る前に体に塩をふるのが日本で知られる常識です。
そういうこと無頓着な人だったので気が回らなかったのかもしれません。
塩をふらなかったことを思うと、私は彼が連れてきた霊を部屋に招き入れたことになります。
もしかしたら彼はそのまま私の家に置いていったのかもしれません。
それとも、その時私の中に自殺霊が入ったのか・・・。

・私に憑いていた自殺霊
・私も元カレも同じ黒い煙を纏っていた
・元カレが遭遇した人身事故
・そんな元カレを何もせず家に招き入れた

すべてに合致がつくと思いました。
私が視えていたわけでもないので、こじつけと言われてしまえばそれまでですがそうとしか思えませんでした。
ただ、私にも元カレにも同じ黒い煙というのを考えると霊が二分されたんだろうか…とも思いますがそれはよく分からず仕舞いです。

視えないことを後悔しつつ、でも視えないからこそ普通に生活できるのだとも思います。
叔母は所謂「視える人」なので、何か憑いている時は構わず教えてくれとお願いしました。
視えるだけで何もできないのが残念ですが…。

幽霊をまったく信じない人に話しても鼻で笑われるだけですが今回はオカルトネタをまったく信じない人が元カレだったわけでその元カレには未だに自殺霊の片割れが憑いているのかなと気になったりもします。
将来自殺しないといいですが。

以上でお終いです。投下させていただきありがとうございました。

補足

お賽銭って本来は「賽の河原の船賃」のことらしいです。
なので72円はもしかしたら1人分の船賃だったのかなぁと。

ちなみに占い師さんは良く当たることで有名みたいです。
ただサイトとかメディアにも出ていないので知る人ぞ知るといった感じのようです。

友達の性格も友達の元カレの細かい性格とか今彼のことも全部言い当てて笑ったほどです。
メガネかけているおばさまです。
占い師3人のうち、一人だけ女性なのですぐ分かります。

ほんのりと怖い話72

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