今はどうなのか知らないが、昔は乞食や浮浪者が死んでしまうと、ここからここまでの土地で死んだら●●地区が供養する、とかいう線引きと決まりがあったらしい。
祖母の兄の子供が2歳ぐらいで亡くなってしまい、祖母の父(私の曾お爺さん)が近所の墓地で草がボウボウに生えて余っていた土地をその子に分けてくれと頼んだ。
で、掃除自分でしてくれるならいいよってことで曾爺さんは喜んでそこを掃除した。
けどそれから何日か経って、曾お爺さんは病気になって入院したらしい。
祖母と家族が交代で看病をしていたらしいが、ある日祖母が看病しているときに曾爺さんがベッドに自分を座らせろと言った。
それで祖母はなんとか体を抱き上げてベッドに座らせてやると、曾爺さんは足をぶらぶらさせながらこう怒鳴った。
「先生さま!なんでわしがこんな知らん人見ないかんのや!」
「背中におぶってきて困る!」
先生さまっていうのは曾お爺さんが警察をそう呼んでいたらしいんだけど…とりあえず曾爺さんに何か憑いてると祖母は思って妹と観音様に拝んでもらいに行った。
それだけでは不安って言うんで、祖母の嫁ぎ先の近くにも有名な祓い師がいたらしくて、そこにも言ったら、どうも曾爺さんが墓に買った土地が無縁仏さんをまつっていた所らしくて、先にそこにおった人が怒っとると。
でも自分より格が上のものがお爺さんについてるから、元通りにしとけば大丈夫だと言われたらしい。
先に観音様に拝みに行ったからついていてくれたんだろうかと祖母は言っていた。
まあ祓い師さんしっかり米二俵請求したらしいけどもw
でもそのせいかどうかはわからないけど曾爺さんは病気で亡くなってしまった。
ほんのりと怖い話76