小学生のころ子供会っていう地域の集まりで毎年恒例のキャンプに行った。
お決まりの行事をこなしてテントで寝ようかって時に、付近の山の中から酒盛りをしているような声がしてくる。
何事か?って大人たちが見に行くと声はやむ。
戻ってきたらまた声がする、しかもだんだん大きくなってくる。
一晩中そんな調子で結局誰も一睡もできずに夜が明けてしまった。
毎年こういうことは起きなかったのに、山を怒らせでもしたのかと大人たちが会話していると、その中の一人が俺の所為かもしれんと。
毎年山入りするときは近くの祠に祭られているお地蔵さんにお供えして無事を祈ってから入っていたんだが、その役目のおっちゃんは酔っ払ってそのお地蔵さまに酒をぶっかけてたんだと。
それを聞いて山を下りるときにもう一度お供えしに行って、みんなですんませんでしたってして帰ってきた。
それからは何も起きていない。
九州の平家落人伝説が残る山での話。
ほんのりと怖い話77