その場所が近々大掃除?されるということで書きこんでみます。
見る専門で書きこむのは初めてなので、至らぬところがあったらすみません。
今から二年ほど前のことです。
中古本屋で働いているのですが、T県にあるI店にお手伝いに行くことになりました。
私の店の店長(Aとします)と後輩のBちゃん、私の3人です。
お手伝い自体は三時間ほどで終わってしまったのですが、そこでお使いを頼まれました。
I店で不要になった重機をM店の倉庫にまで運んでほしい、という内容です。
支部長のお願いはお願いという形の命令ですから、私たちは渋々ながら了承しました。
M店までは、M店の店長の車に先導してもらい向かいました。
四十分ほど車を走らせた場所にあるM店は、昔うちの会社が本部として使っていたという、古い二階建ての建物です。
壁もところどころ禿げ、お世辞にも綺麗とは言えない外観。
さらに隣り合っている建物も同じような状態だったので、本当に営業できるの?と思っていました。
恥ずかしい話なのですが、M店と私の勤めているS店は、会社の中で常にビリ争いをしているような売り上げ状況だったので「こんな汚い店に負けるなんて…」と落胆もありました。
倉庫は二階部分にあり、そこに車を付けて(駐車場も二階です)私たちは倉庫に入りました。
思っていたよりも倉庫は広く、奥行きもあります。
けれど何より私たちが驚いたのは、倉庫に漂う異様な雰囲気でした。
暗さやじめっとした感じはまだ分かるのですが、仮にも倉庫として現在進行形で使われている建物にしては、あまりにも廃墟に近い状況だったのです。
床は打ちっぱなしの板きれでボコボコというし、壁には人が一人通れるような穴が開いています。
天井の板も一部が落ちて、電気のコードもぶらんとしているのです。
あんまりにもそれっぽいので、M店長に「お化け屋敷じゃないですか!」とふざけて言ったら、「うん」とM店長はあっさり認めてしまう始末。
さらには、ここから先には言っちゃだめだよ、と倉庫から先に続く部屋を指して言いました。
本部として使っていたというだけあって、手前部分に広いスペースが、奥に仕切りで分けられた部屋が三部屋ほどあったんです。
その奥の部分が、どうやら立ち入り禁止、と言われているらしいのです。
はじめは大人しく私とBちゃんで適当に見て回っていたのですがそれもすぐに飽きて、興味は例の部屋にむいていました。
怖いものは苦手だけれど、一人じゃなければ行けるんじゃない?と興味本位が沸いたんですよね。
皆さまにも覚えのある感情だと思います。
けれどやっぱり一人で行くのは怖かったのと、勝手に行って怒られるのは嫌だったので、M店長にお願いしてみました。
M店長も初めは渋っていたのですが、結局は折れてくれました。
懐中電灯を片手に(電気がない部屋もある)案内をしてもらったのですが、そこは廃墟でした。変に生活の後の残る廃墟です。ポットだとか机だとか。
少しでも霊感のある人ならば一つ目の部屋に入った時点で「無理」というようなそんなレベルだそうです。
けれど私たちの場合、雰囲気に飲まれただけで特に何かあったわけではありませんでした。
倉庫から出た後、M店長が段差で足首を捻ったくらいです(苦笑)
こんな長い前置きかよ!と思われた方すみませんが、ここからが、このお話の本番といいますか、本質といいますか怖いなぁと思った部分です。
後日、M店で働いている方と会議で隣になり、例の倉庫の話になりました。
彼女をCとしますね。Cが、それから色々とあの倉庫にまつわる話をしてくれたんです。
ここにあげた以外にもたくさんあるらしいのですが、とりあえず覚えているものだけを。
閉店業務をおえ、施錠をしようとした際に、セ○ムが反応。
調べて見ると、どうやら二階の窓が開いているらしい。
Cはおかしいと思いながらも、そのままでは帰れないので仕方なく倉庫に確認に行くと、窓が一か所だけ開いていたそうです。
おかしいですよね。だって朝から誰も倉庫になんて行っていないんですから。
昨日から開いていた可能性はありえません。
その場合、昨日の時点でセ○ムがセットできないのでそもそも帰れないんです。
ちなみに倉庫に行くには一度外に出てから行く必要があります。
倉庫の鍵はもちろん一階の事務所です。
嘘を吐いてまで、窓を開けに行く様な酔狂なスタッフはいるのでしょうか?
もうひとつ、私はこちらのほうが怖かったのですが、
深夜、とあるタクシー会社に送迎依頼の電話があったそうです。
「M店の者なのですが、M店までタクシーを一台頼みたい」
こんな時間に?とタクシーの運転手も思ったそうですが、行かないわけには行きません。
案の定、店の前にまで来たのに、それらしい人は誰も居ない。
性質の悪い悪戯だと思って、運転手は帰ったそうです。
ではなぜ、この話をCが知っていたのか。
実はこの出来事は一回ではなかったらしいんです。
あんまり何度も続くものだから、タクシー会社の人が昼間にM店に問い合わせをしたらしいんです。
悪戯だったら止めていただきたい、と。まったくもってその通りです。
けれどそもそもM店は22時閉店なんですよ。深夜にタクシーを頼む人がいる筈もないんです。
誰が一体、M店の名前を使って、M店まで迎えを頼んだのでしょうかね?
この他にも会議室の足音だとか、トイレの前の不自然な鏡ですとか、突然消える蛍光灯だとか、ありきたりな話は目いっぱいあるそうですが、私自身が体験したわけではないので怖さは半減…。
ただ疑問は残ります。
元々本部として使っていた愛着のある建物をどうしてそこまで放置するのか。
建て替えろとはいいませんが、掃除くらいはしても良いと思うんですよ。
何せあの廃墟具合は、クリンネスを謳う会社とはとても思えない。
これを書き始めた理由が、あの倉庫が掃除されるから~だったんですけど、整理していたら気付いてしまった…。あの「掃除しますメール」に感じてた違和に。
皆さんの店舗で使っていない重機(本棚とかです)をMの倉庫に運んで片付けよう。
ってこれ、あそこを掃除するんじゃなくて他の店を掃除するんですか?
まさかあの部屋を塞ぐために?! ん? っと思ったらちょっと怖くなってきました。
正直自分が見てない分信じてないんですけど、M店の人は皆何かしらに
遭遇しているようです。建物自体気持ち悪いし、意味が分からない部分も多いし。
三角形になっている壁の内側とかまさに、何があるんだって話です。
ちなみにこの店はまだあります。
ところでこれを書いているときに、Gが天井から落下してきました。
正直それが一番怖かったです。
それでは長文失礼いたしました。
ほんのりと怖い話77