高校時代、電車で下校中に腹痛をおぼえ、途中下車した駅のトイレにはいった。
非常に汚いトイレだった。
用を足していると隣の個室から
名前は?
と男の声が聞こえた。
トイレには俺以外誰もいなかったはずだが。
声はそのまま
住所は?
電話番号は?
趣味は?
とか質問を続けた。
俺は気持ち悪いので黙っていた。
質問は俺が水を流すまで続いた。
個室から出て、隣の個室を見るとドアは開いており誰もいなかった。
物音や誰か出入りした気配はなかったはず。
驚いて中を見ると、壁の落書きにさっきの質問と同じ文面を見つけた。
黒インクで書かれたきれいな字だった。
十個ほどの質問が書かれており、先程の声が質問した内容と一致していた。
一気に恐怖を感じ、全身鳥肌が立った。
逃げるようにしてトイレを出た。
それから一度だけ友達とそのトイレの落書きを見に行った。
あれから十数年、最近偶然その駅を利用したのだが、構内は綺麗に改装されており、トイレも新しくなっていた。
もちろん落書きはもうなかった。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?277