消えた男

聞いた話。

大学生の友達四人が、車に乗って遊びに出た時のこと。
都内から千葉方面に向かっていく途中に、結構大きな歩道橋があったんだと。
運転してた奴がなにげなく歩道橋を見たら、歩道橋の上からこっちを見てる奴がいる。
じぃーーーーっと。

変な奴だと思いながらも目線を前に戻して、歩道橋をくぐろうとした瞬間・・・
目の前にそいつがヒュッと現れた。
運転手が「うわっ!!!」って大きく叫んだから、みんなもソイツを見たんだ。
んで次の瞬間、ドンッと車のフロントに衝撃がはしった。
皆もう『うわっ、轢いた!!』と思って、慌てて車を停めて降りたんだけど、轢いたはずの男がいない。

おろおろしてると、自分達の後ろを走ってた大型トラックのドライバーが不信に思って降りてきた。
へこんだフロントを見せて事情を話すと、とにかく携帯で警察を呼んで。
その間、一緒に跳ねられた男を捜そうということになった。
でも、結構な範囲探しても見つからない・・・。

そうこうする内に警察がきて、事情を話していると、
一人の警官が、歩道橋から一本のロープが下がっているのを見つけた。
これはなんだろう?と、警官がロープを手に取って、ハッと気づいた。
「トラックだ!!トラックの荷台!!!」
荷台を見ると、そこであの男が死んでいた。

つまり、死に際になって最後に人を驚かそうと考えた馬鹿が、わざわざ道路ギリギリで首を吊れるように長いロープで自殺して、車に跳ねられた勢いで振り子のように揚がった所に、丁度トラックが来たと。
迷惑な話。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?39

シェアする