サーカステント

10年前、職場の向かいにサーカステントみたいなのが出来て、中で外人さん達ばかりで何かのパーティをしていた。

昼食代を忘れてお腹を空かしていたら、そのテントの中に美味しそうな豪勢な料理皿が沢山見えた。
立食会らしく皆立ち話しながら料理をつまんでた。

入口付近まで近づいたら、ご自由にどうぞという感じで沢山のバッジの入ったカゴを見つけた。
英語でサイレントと書いてあった。

もしかしてコレ付けてたら人と話さないで済むかもと思った。
会場の人でそのバッジ付けてる人を観察したら、案の定「フン、フン」とか相槌だけ打ってる。
まあバレたら素直に謝って退散しようと決め、バッジ付けて中へ入った。
その時生まれて初めてキャビアとフォアグラを食べた。
麺とかご飯とかは無かったので残念だった。

途中、身長180cmもあるモデルみたいな北欧美女にドイツ語みたいな言語で話かけられた。
自分は超焦ったが「フンフーン、フフン、フーン」と少し誇張して返事してたら、ギャラリーが一人増え又増えいつの間にかそのパーティの中心人物化していってしまった。

これはマズイ。超マズイ。土下座して帰ろう!と思ってたら、急に巨人モデル美女軍団に強めのハグされて超濃厚なディープキスされまくってしまった。
散々タライ回しされてもう今日は早退して帰ろうかなとフラフラになりながら出口へ向かうとそこで身長2mのヒゲ男爵にシメのディープキス(口直しに美女の所へ戻りたかった)され、お土産にと小さな箱を貰って外へ出られた。

仕事場に戻って来て小さな箱を開けると、これは信じて貰えないだろうけど・・・ 俺の財布が出て来た。
黒の財布に白いマジックで英語で“よい一日を!”って書かれてた。

夕方、仕事終えてテントを探したが既に撤去していた。
その場で大道芸していたピエロが自分を指差して人差し指と中指と親指をさすってお金くれよって感じでジェスチャーしながら笑ってた。

不可解な体験、謎な話~enigma~ 104

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