おぅい

高校2年の夏休みに体験したこと。

夏になるとなんとなく思い出してしまうので、投下させて下さい。
その時期は風呂も無く、トイレは外にある掘っ立て小屋に用足しに行くような、お世辞にも綺麗とは言えない家に住んでいました。

夜、寝そべりながらテレビを見ていたら
「おぅい」
と、家のすぐ外、丁度掘っ立て小屋のある辺りからはっきり声が聞こえる。
しわがれた、お婆さんのような声。ものすごく気味の悪い声で、聞いた瞬間ぞわぞわと鳥肌が…

そのうちもう一回「おぅい」と呼ばれる。
その声に返事こそしなかったものの、同じ部屋にいた母と思わず顔を見合わせてしまった。
どうやら母もその声を聞いたようで、顔が強張ってる。

家の外は砂利道になっており、たいていは人が通るとすぐ気づけるようになっています。
人が踏みしめる砂利の音もせず、いきなり聞こえたその声の主は…と考えると腹の底が冷たくなる怖さを感じました。

因果関係があるのかわかりませんが、その後しばらく私は体調を崩し、同じ時期に親戚の叔母さんも重い病気にかかったので、なにか悪いものを運んでくるモノだったのかな?と思っています。

他の家に住んでいるときも、仕事で居ないはずの母に窓をドンドン叩かれ、びっくりして出てみると、姿は無し。
帰ってきた母に聞いてみると、勿論そんなことはしていないの一点張り。
こんな事がわりとありました。
夏になると、今でも窓の外がちょっと気になります。

ほんのりと怖い話86

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