幽霊屋敷

流れブッチな上にそれほど怖く無いが、俺がオカルトを信じるきっかけになった、婆ちゃんから聞いた話

イギリスのサウスシールズって所の婆ちゃんが生まれ育った家の話。
三階だてに屋根裏部屋がある大きい家で、ここで度々おかしなことがおこった。
人の話し声が聞こえるのは序の口で、本棚の本が一つずつ落ちてきたり(スーっとスライドしてバタンッと落ちる、スーっとスライドしてバタンッと落ちる…をはしから順に)花瓶が倒れたり、ポルターガイストってヤツ。

犬の遠吠えがうるさいと思ってたら屋根裏部屋から聞こえるだとか(確かめに行っても何もいなかった。猫や鼠ならまだあり得るが、大型犬っぽかったし侵入はどうしても無理な作りらしい)
俺の爺ちゃんもデートなんかで迎えに行って、婆ちゃんを待ってる時に嫌な気配がしたり物が動いたりするのが嫌だったと言ってた。

一番「肝を冷やした」として語ってくれたのが中学生位の時、ある朝早くに3階の寝室から1階に降りるために階段に向うと、3階から1階まで半透明な綿だかカビだか分からない白いモノが壁にビッシリと引っ付いてたそうだ。
カビか?でも一夜でこんなに生えるのか?などと思いながら一階までだどっていくと、1階の所に人の形で煙っぽいモノが溜まってた。幽霊と言うよりエクトプラズムが見た目としては近い。

今まで音だとか物が倒れる位で「気のせいかも」と思えるレベルだったが、これで「やっぱり幽霊屋敷じゃん!」と気付いて今までの恐怖がまとめて襲って来たそうだ。
どうすれば良いのか分からず混乱してるうちに徐々に霧散していき、特に危害は加えてこなかったらしい。

その後も色々あったらしいが(怖かったからかあんまり話してくれない)、婆ちゃんが結婚して残された親にはデカすぎるって事で売りに出して、今は個人経営の保育園になってる。俺は残念ながら入ったこと無い。

余談だがこんな事があっても婆ちゃんは幽霊を信じてなくて、「死者の霊魂なんて居ない、何か他の説明があるはずだ!」と言ってた。

ほんのりと怖い話88

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