小学校の頃の話だが、自分の学校の近くには「牢獄山」とあだ名が付けられている、そこそこ大きな山があった。
その牢獄山を取り囲むように広がっている深い森は、地元の子供たちの格好の遊び場で、俺も毎日のように友達と秘密基地作って遊んだり、かくれんぼしたりしてた
それで、なんで牢獄山というあだ名が付いたのか。
別の正式名称があるにはあるのだが、周りの皆は俺も含め、あの山を牢獄山と呼んでいた。
その理由は、学校の七不思議みたいな話になるが、昔、小学校が出来て間もない頃に山にある深い谷に転落して、そのまま死んでしまった女の子がいるらしい。
その子はしばらくは生きていた。
雨水や木の根っこを食べて、なんとか飢えを凌いでいたらしい。
だけど、そんなに長い間体力が持つはずもなく、やがて力尽きた。
それからしばらく経って、行方不明になっていた女の子を発見したのは小学校の教員。
その時の様子は筆舌に尽くしがたく、女の子の体の白骨化した部分が「牢獄」に見えた、と。
私見だが、これはおそらくあばら骨の事を揶揄しているんだと思う。
それとも深い谷という絶望的な環境を、「牢獄」に例えたんだろうか。
自分はあくまでこの話を人に聞いただけで、そんな出来事が本当にあったのかどうか調べてみたり、確認はしていない。
ただ、自分の知る限りにおいては「深い谷」なんて牢獄山で見たことはないし、やっぱり子供の間での与太話だったんだろうな。
長々とすまん、話は以上だ
山にまつわる怖い話75