精進落とし

義父が亡くなった後の墓参り兼の精進明けで我が家に集まった(お墓の最寄りだったw)際に、故義父が好きだった店のうなぎを出前で取った。
義兄嫁が私に「葬式関係の集まりで鰻なんて非常識って知らないの」って怒り出した。
旦那が精進落としについて説明し、義母が「自分がそこの店を指定した」と説明してくれたところ、義兄嫁の怒りがなぜか義兄に向いた。

義兄は「そんなことは普通に知ってると思っていた」と返事したため、義兄嫁は「わたしる!!!」と席を立って騒いだけど、車で来たので運転できなくて帰れず。
私に「客なんだから駅まで送って」と騒いで義兄に怒られて、うちの廊下でしくしく泣いて見せていた。
うなぎ美味しかった。
義兄嫁の分は手つかずだったので、入れ物(お重はあちで回収に来るから)移してラップして夜食べた。

そしたら、数日後に義兄嫁から電話が来て「あの鰻どうなった」と聞いてきた。
私と旦那で半分して食べましたよと言ったら、「今すごい鰻が食べたい・・・」と泣き出した。

義兄嫁が友達に愚痴ったら、「精進落とししなかったから、廊下で泣いてた時に餓鬼がついたんだ」って言われたらしい。
廊下って玄関からまっすぐいろいろ入ってくるから、泣いたりしたら真っ先にとりつかれるらしい。

その友達曰く、もう一回“やり直し”して帰ってもらうしかないと言ってるそうだけど、我が家は義兄嫁に来て欲しくなかったから断った。
かなり食い下がられたし泣かれたけど、車じゃないと行き来しづらい距離だったこともあって断った。
翌年の夏ならお彼岸でうちに集まるから、どうしてもならその時にって返事した。

会ったのは2年後だけど、義兄嫁はもともと細い人じゃなかったけどブクブクに肥えていた。
何を食べてもお腹がすくと、病院にも行ったけど病気じゃなかったそう。
そんなになってるとは知らなかった、遅まきながら“やりなおし”をやった。
墓参りしてから鰻を食べて和やかに別れた。

翌年あったら確かに痩せてきていた。
つきものが落ちた気分だそう。

ほんのりと怖い話100

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