白足袋

彼が勤めていたのは旅行会社。
旅行会社の添乗員って、客室としては使えないワケアリ部屋に押し込められることがあって、彼も入社2年目に添乗先の古旅館でその洗礼を受けたらしい。

同行した先輩が気前よく大きな部屋を譲ってくれるからヘンだなと思ったそうだが、電気を消したとたん押入れの中でゴトゴトと音がして、襖が勝手に5㎝ぐらい開く。
それでも疲れてたし、翌日も朝が早いんで無視して寝ようとしたら金縛り。

目の前に白いモノが揺れるから何だろうと思って目をこらしたら、白足袋をはいた人間の足の裏が4つ並んでたそうだ。
たぶん、首吊り心中のあった真下に布団を敷いちゃったんだろうね。

先輩や上司に直訴したが上の通りの答え。
旅行業界は彼の第一志望だったし、辞めるのはもったいないとみんなで止めたんだが、添乗恐怖症になったからムリと言ってとうとう退職してしまった。
今はコンビニの店長やってる。

ほんのりと怖い話101

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