事故物件の流れでちょっと昔の話
ある家で家人が自殺。
ただ、まだ買って数年でローンも満載のため、家を売ってからしか引っ越せない状態だったので、「居住中」のまま中古物件として販売した。
うち専任ではなかったんだけど、新しい・立地が良いこともあって問い合わせが多く、何度も人を案内したけど、なかなか仮審査すら申請がない。
家もリフォームしてきれいにしてるし、自殺後に家人が住んでいる、というのはプラスポイントだし、(家人がいない自殺説明だと、一家心中等を想像する人が多いため)決まらないのはおかしいなあ、と思っていた。
ただ、案内した時に、二階の和室(自殺があった部屋)に案内すると、日当たりの良い和室のはずなのに、何故か皆口をそろえて「この部屋は暗い」とか「かび臭い」と言うので、案外みんな何か感じ取るもんなのか?とちょっと不思議な気持ちになっていた。(ちなみに俺は前々わからなかった)
ある日、何軒か一緒に中古住宅見て回ってるお客さんから突然、
「あの、一番最初に見に行った家ありますよね。築浅の・・。あそこ、お払いとかしないんですか?」と聞かれたので、
「多分お祓いなんかはしてるんじゃないですかね(適当)」と答えたら、
「でも、二階の和室の入ってすぐのところに、50代くらいの男性がずっとぶら下がってるってことは、お祓いとかしてない証拠じゃないですかねぇ?」
と言われてびっくりした。
言われてみると、その人、その和室に案内した時、中に入るのを固辞したのを思い出した。
俺、普通にそこ何度も通ってましたやん!!と思ってかなり焦った。
会社に帰ってそれを先輩に伝えたら、
「ああ。そういうのは「買いに来た人」にしか見えないらしいから、問題ない」といわれた。
「買いに来た人しか見えない霊」というのは、不思議なことに不動産関係では結構よく聞く話なんだよな。
ほんのりと怖い話110