チキ

夏休みの思い出で子供の頃の事だからちょっと曖昧。

祖父の家に夏休みはよく遊びに行った。
県5つ離れた田舎だったけど土日にも電車で一人でよく行った。
祖父が好きだったのもあるけど、田舎での友達と会うのが楽しみで。

夏休みは梅ちゃんという女の子とよく遊んでた。
話には関係ないけど俺の初恋ww
二人でよく遊んでて、遊ぶって言っても川沿いを歩いたり、梅ちゃん一人で行けない所に行ったり。
前から梅ちゃんが行きたがっていた山頂の大きな岩まで行く事になった。

11歳の子供の足で2時間くらいかけて到着した。
岩の真下まで来て岩の日陰で休んでたら、上から水がぽたぽた落ちてくる。
上を見上げると、タートルズみたいなのが一匹居た。すげー怖い顔の。
岩から垂れてくる水をペロペロ舐めてた。
怖すぎておしっこちびりそうになりながら梅ちゃんの手を引いて逃げた。

追ってくる様子は無い。
後で事情を説明したら、梅ちゃんはタートルズを知ってた。
山頂の大きな岩の下側が唯一見える高台の広っぱから見たらしい。
(めちゃくちゃ遠い位置なんだけどwwお前の視力マサイ族かよって突っ込みたくなった。)
タートルズを近くで見たいから大きな岩まで行きたいって言ってたみたい。
その日は暗くなる時間だったので帰った。

祖父にその話をしたら、
「そりゃチキじゃな。まだ生きとったんか」と嬉しそうにしてた。
そしたら町の人らの噂になって、チキを見た事を詳しく聞かれた。
正しくはガンヂギというらしく、漢字はわからないけどまぁガンヂギって生き物らしい。
祖父達が子供の頃はよく見かけてたそうで、親から「危ないから近寄ってはいけない」と言われてたほど危険な生き物らしくて、逃げて正解だった。

特にオチも無くこれで話はおしまいですまん。

ほんのりと怖い話124

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