小中のクラスメイトに、月に2、3回ぐらいの割合で凄い体調悪そうにしてくるのがいた。
そいつは中性的な外見でひょろくて色白だったから、皆体が弱いんじゃないかと心配していたが、そいつ自身は体調が悪い訳じゃなくて、夢見が悪いだけだと言っていた。
なんでも酷くグロくて嫌な夢を見るらしく、その夢を見た日は気分が悪いんだとか。
俺はそいつとは比較的仲がよく、高校は別になったがときどき遊んでいた。
ある時そいつに「そういえばまだあの夢はまだ見るの?」と聞いたら、そいつは真剣な顔になって語りだした。
あの夢はただの夢じゃなく、先祖の誰かが体験したことらしい。
母方の家系の人間がずっと見続けてきた夢で、そいつの母親も祖父も同じ夢に悩まされた時期があるんだとか。
そしてそいつがその話を母親から聞いたとき、もう1つ母方の家に伝わるモノ、ある「呪い」のやり方を教わったとも言っていた。
呪いの詳細については教えてはくれなかったが、
「なにが呪いだよ、嫌な夢を見させ続けられる方がよっぽど呪われてるわ」
と自嘲気味に笑いながら言っていた。
ぶっちゃけ半信半疑だったが(本人も信じても信じなくてもいいと言っていたし)、最近になって「遺伝子にも記憶がある」という説があるのを知って、あいつが見てる夢ってこの遺伝子の記憶なんじゃないかなと思った。
ほんのりと怖い話126