昔、若くして亡くなった知人のアダ名が「鷹」とか「猛禽」だった。
我慢強くて、末期癌に一言も弱音を吐かない人だった。

その人の葬儀の最中、ずっと一羽、大鷹が屋根に留まっていた。
出棺後、スーッと見送る私らの前を大鷹が低空飛行して、奥にある林へ消えていった。

ホントに鷹になっちゃったのかねぇ、なんて共通の知人としんみりしていたら、鷹なんか居た?って言う人と、見たって人に意見が割れた。
その場は一瞬変な空気に……。
あれはもしや故人の魂の姿だったのか、はたまた単に見落とした人が居ただけなのか。
ほんのり怖くて、ほんのり温かい不思議体験。

ほんのりと怖い話128

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