同じ幻覚

怖い話というか、体験した話です。

寝不足とか、とにかく疲れがピークの時に毎回、同じ幻覚を見てました。

社会人になったばかりで、仕事の要領が分からず、朝早く出て終電でアパートに帰って、風呂に入って寝るだけ。
そんな状態が半年以上続き、その日も今の仕事向いてないんかな、、とか考えながら帰宅。
狭い玄関からすぐ二階に上がるタイプのアパートなんですが、階段の上を見ると、落ち武者?の様な額を刈り上げた長髪の生首がありました。
前方にゴロン、ゴロン、と器用に回転しながら階段を降りてきて、自分の目の高さと同じくらいの段で止まり、焦点の合わない目で「おかえり」と言われました。

「!!」驚いて声も出ませんでした。
よく見ようとすると消え、リアルに見え過ぎてるので、幻覚だと判断したせいか、生首より自分の精神が大丈夫なのかという方が怖かったです。

それ以来3年程度、疲れきって帰宅するとほぼ毎回、生首が階段の上でボーッと斜め上を見てました。
動かず、何も言わない時もあり、言葉は「おかえり」以外聞いたことがありません。
害がないので引っ越すこともなく、気がついたら疲れて帰っても5年は見なくなっていました。

先週滅多に都合の合わない親友と2人で旅館に泊まった時、大浴場の更衣室にある鏡の横で、ドライヤーと並んで後ろを向いた生首がありました。
久々に出てきた。。と同時に、霊的なものなら今関係無いだろ、楽しそうだからって付いてくんなよ、と少し可愛く感じました。

ほんのりと怖い話139

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