未来が見える

10年以上前に美容サロンで働いてた時の話。

スタッフに未来が見えるって人がいた。
幸せな未来図じゃなくて不幸になる人間の未来図が、その人の頭上に紙芝居みたいに見えるらしい。

閉店後にネイル担当の20代の若いスタッフと、その未来が見えるスタッフが喧嘩しだして、なんだ?なんだ?と様子見てたら、未来が見えるスタッフが、この子は悪い事してる、このままじゃ風俗から抜けられ無くなる、最終的に自殺する、自殺する貴女が見えると言い出した。

最初は若いスタッフはしらばくれてたが、未来が見えるスタッフがネイルブースのゴミ箱に捨てられた伝票を出して、レジと照らし合せて全てが一致した。
そのサロンの会計が、手書き伝票にメニューと金額書いてレジで精算するやり方。
伝票管理もずさんだったから、店保管の伝票とお客さんに見せる伝票の2つ用意して、実際の金額より多く書いてお客さんからお金貰う→差額をネコババしていた。
ネイルのお客さんはほとんど指名で来るから、仲良くなった顧客に対してデザイン料だパーツ代だと誤魔化して2~3年続けてたらしい。

問い詰めたらやっぱり男で、ホストに貢いでたと。
昼職だけでは足らず風俗と掛け持ちしてたと白状して、それっきり店にも来ず、その後は不明。
実はこの喧嘩の前に、何回か貴女悪い事するのはもう辞めなさいと言ったけど聞き入れてもらえなかった、でも自殺する姿が見えたから止めたかったらしい。

ほんのりと怖い話140

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