バスの夜勤

俺、神奈川県でバスの運転士やってるんだけどさ。
昨日、実際におきた不思議な出来事書きます。

昨日は午後番っていう、いわゆる夜勤みたいなダイヤを運行しててさ。
休憩後にとある海岸線を通る路線を走る為に車庫から回送で向かったんだ。
前半の運行で担当車のクーラーが壊れちゃって急遽別の車に乗り換える事になっちゃったんだけど、そのバスが一回も乗ったことの無いバスでなんか嫌な感じがしたんだよね。

車両の点検は俺が休憩中に予備の人がやってくれてたから、俺はパパっと確認してすぐに車庫をでたんだ。
すると、走り出してすぐに違和感が。
誰も乗ってないのに床がきしむ音がするんだよね。

まぁ、ちょっと古い車だから車体のきしむ音なんてザラなんだけどさ。
いかにも人が歩いてる様な音がして、どんどん運転席に近づいてくるんだよ。
さすがに怖くなって適当なバスベイに停めて後ろを確認したら、まさかの太った野良猫が乗っててw
とりあえず降ろしてそのまま回送を続けたんだ。

猫の件で、会社に戻ったら面白い話ができるなぁなんて心にも余裕ができて。
車に対する不安も無くなっちゃったんだよ。
で、いざ到着した某停留所。
21時ごろなんだけど、繁華街とは離れてて金曜の夜なのに人気は全くない。
どおせ客もいないだろうし夜で暑さも落ち着いてたからエンジンを停めて前と後ろのドアを開け、始発までの時間10分ぐらいかな、目を閉じて軽く仮眠しながら待ってたんだ。

で、目を閉じた瞬間に「プー」って音が立て続けに鳴ったんだ。
コレは光電リレーって言って、後ろのドアをお客さんが通ると鳴るセンサーなんだけど、それが鳴り止まないんだよ。
そんなに人いたか?ってミラーで車内確認するも誰もいない。
でも光電の音は鳴り止まない。

流石に今回は猫とか関係なしにおかしい。
センサーの故障かなと思ったら、とたんに光電が鳴り止んだんだよね。
で、すかさずICカードをタッチする音がしたんだよ。
とっさに俺は、幽霊でもICカード持ってるのか!?ってちょっと笑っちゃってさw
しかも残高も出るんだが9999円って表示されたんだよ。

結局その後、普通にお客さん乗せて発車して特に何も無く帰庫。
終わった後にドラレコ確認したら、一部始終がきちんと映ってて皆で大笑いw
ICカードの件はうちの会社だけでは調べられないのが残念だったわ。
少ない小遣いでやりくりしてる俺からしたら、お金持ちの幽霊さんが羨ましかったです…。
ちなみにさっき工場に見てもらったらやはり異常は無いとの事。
今日も同じ所走るからちょっと楽しみではある。

ほんのりと怖い話141

シェアする