とりあえず最後まで読んでほしい。
親父から昔何度か聞かされた話なんだが、おれが2~3歳のころ、一緒に住んでた曾祖母が亡くなった。
たぶんそのころは人が死ぬってこともよくわかってなかったと思う。
その3日後くらいに、親父と風呂に入ってたら、おれが突然「最近おばあちゃんが階段を上がって寝室に入ってくる」と言い始めたらしい。
親父は曾祖母ではなく、同じく一緒に住んでた祖母のことだろうと思ってたら、おれが「おおきいばぁちゃん(祖母と区別して曾祖母のことをそう呼んでいた)が上がってくる」と言うので、「おいおい、こいつ死んだ曾祖母のことを言ってるのかよ」とゾッとしたそうだ。
しかも、「どんな風に入ってくるの?」って聞いたら、「下がしろーくて足がない。それでこっちを見て笑ってる。」と答えたらしい。
それを昔、親父から聞いたとき、当時幼いおれが見えてたものが、「足がない」という一般的な「幽霊像」と一致してるってことに、自分でも気味が悪いと思った。
なんせ、まだ保育園にも行ってないくらいだからな、お化けのイメージはなんて持ってないはずだし、そもそも死というものもよくわかってなかったはず。
んで、最近実家に帰ったときに、久しぶりにこの話をした。
おれが「下が白くて足がないって言ってたんでしょ?それって一般的な幽霊像と一致してるよね、小さい頃は見えてたのかもなぁ、自分が怖いわ。」と身振りを交えて話していると、すぐに親父からの訂正が入った。
そして、それを聞いたおれは、この話について自分が大きな勘違いしていたことに気づくと同時に、改めて当時自分が見ていたものに対して異様な恐怖感を覚えた。
「…いや、「下」じゃなくて「舌」な。真っ白の舌を出してたって。」
どんなキャラクターでもいい、いままでに「白い舌」を連想するものを見たことがありますか?
幼いおれが見ていたものはやはり、この世のものから外れたものだったのか…
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