民芸品の工場でバイトしてた時に、急にンコがしたくなってトイレに行ったんだ。
昔ながらのボットン便所でさ、鍵も粗末で錆びているんだ。
さー、トイレから出ようとしたんだけど鍵が開かないんだよ。
小さい鍵だから引っこ抜ける筈なのに全くビクともしないんだ。
ま、工場には人が沢山いるから誰か入ってきたら助けてもらおーなんて、トイレの小窓から外見てたんだけどさ、30分しても誰もこねーの。
『誰か来てくださーい!!』と叫んでも、ドアを叩きまくっても誰も来ないんだよ。
まいったなーと思いながらドアノブ押したら、軽く開いてさ。
今までのはなんだったんだ??と工場に戻った直後に『ぎゃーーーっ!!』という悲鳴。
機械に手を挟んで指が吹っ飛んだらしく、血があふれていた。
自分が今日使ってる筈の機械なんだよ。
俺がなかなか戻ってこないから工場長が操作していたらしいが、故障起こして工場長の手を巻き込んだんだ。
血は溢れているし、工場長は倒れて身体ピクピクさせていてさ。
とにかく止血しなくちゃと思って布を探していたんだけど『これ!』とタオルを渡してくれた女の人がいた。
とにかくタオルをぐるぐる巻いて、救急車呼んで他の仲間も呼んで指を氷の中に入れてさ。
バタバタして気がつかなかったけど、うちの工場に女の人って工場長の奥さんしかいない訳さ。
誰だったのかなー?なんて仲間に話したらさ、たぶん10年前に自殺した工場長の前妻じゃないかって。
工場長のお見舞いに行って『俺のせいで』と謝ったら『お前のせいじゃないんだ』って、暗く言ってた。
何年かして、飲み会でその話題になった時に先輩が
『あの時、前の奥さんが機械の横でボタンを操作していたんだとよ。工場長は立ったまま金縛りになって腕を持たれて機械に押し込められたって言ってたぞ』
と・・・。
実話恐怖体験談!11