ボーンコレクター

まぁ、俺らがよく仕事で行く墓地は普段はほとんど人がいないのよ。
夜になると、車も絶対通らない場所なんだ。

四年前ぐらいかな?いっつも夕方になると、1人だけ若い兄ちゃんが来てて、深々と帽子かぶって、その服どこで売ってんの?って聞きたくなるピチピチの黒シャツとパッツンパッツンの黒皮のズボン履いてた。

俺も職業柄、挨拶はするんだけど軽く会釈しかしないんだ。
まぁ、仕事の邪魔じゃないから気にせず仕事してたんだけど、その兄ちゃんは俺らが墓を解体するのを離れた所から凝視してんの。

お墓の解体に興味示す人なんか滅多にいないから、ちょっとおかしいのかなって思ってた。

それからその墓地で仕事する度に見かけるから、声かけてみたんだよ。
「この仕事に興味あるの?」
って。

そしたら「はい」って言うもんだから、嬉しくて(結構毛嫌いする人が多いからね)色んな事喋っちゃったの。
墓の解体はこうだとか、組み付けはこうだとか、骨ツボはどうのこうの。

んで、いつの間にか俺らの仕事を少しずつ手伝ってくれるようになって、バイト代を渡そうとしても受け取らなかったんだ。
それから、当分その墓地で仕事が無くて、会社で墓石作ってたらお客さんが怒鳴り込んで来た。

なんでも、最近身内が亡くなって納骨をしようとしたら先代の骨ツボが無くなっている。
って、クレームだったんだ。

「そんなはずはありません。ちゃんと入れました。」
って言っても、聞く耳持たず。
当たり前だよね。

結局、弁償って形になったんだけど、その後も同じ墓地から半月に一回の割合で同じクレームが来るからさすがにおかしいって思って、見に行ったんだ。

んで、素人目には分からないけど明らかに動かした後があった(骨ツボが入ってる所付近)。

他の業者がする訳は無いし、あいつしかいないじゃん。
でも、確信はなかったから夜に交代で見張る事にしたの。
そしたら案の定、兄ちゃんがバール持って辺りを見渡しながら墓地に入って来た。

そろ~っと後ろから近付いて、
「こりゃ何しとんや。」
って言ったら、
「ぎゃああああっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
って、パニック状態(まぁ驚くわなww)。

捕まえて事務所で詳しく聞くと、

・骨が好きで性的興奮がある。
・盗んだ骨は瓶に入れて家に飾ってある。
・若くして亡くなった女性の骨は食べる。
・少しぐらいならバレないと思ってた。

完全に気が狂ってると思ったよ。
最初は弁償で済まそうかと思ったけど、ここまで異常だとまた別の場所でやりそうだから警察に連絡した。

この話は口外するなって言われてたけど言っちゃったww

でも気を付けろよ。
そいつはネットで知り合ったボーンコレクター達と骨を見せ合ってたって言ってたから、もしかしたらお前等の先代の骨も盗まれているかもよ?

実話恐怖体験談!20(実質13)

シェアする