山の神様が木を数える日

祖父は伐採を生業としていました。

ある時祖父は、山に買ったばかりのチェーンソーを忘れてきてしまったので取りに行くと言い出しました。
しかし、生憎その日は「山の神様が木を数える日」でして、山に入る事を禁じられていたのです。

いつもは頑なにその掟を守る祖父ですが、何故かその日だけは家族がどんなに止めても聞き入れません。
結局皆の反対を押し切って祖父は一人で山に入ってしまいました。
それが祖父の生きた最後の姿でした。

翌日帰らぬ祖父を村中の人間で探しました。
夕方近くなって、祖父は良い枝ぶりの大木にビニール紐を括り付けて首をつっているのを発見されました。

山の神様の日に山に入ると、神様が間違えて木と一緒に数えてしまうといいます。

山にまつわる怖い話13

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