耳の傷

ではもうひとつ実話を

保育園で年長、年中、年少とそれぞれひまわり組、ゆり組、バラ組みたいに3クラスに別れていたんですけど、その教室と教室の間に倉庫みたいな長細い部屋があったんです。

じめじめして薄暗く、なんか変なものがいっぱいおいてあり、とても怖い感じの部屋でした。
今だったら100%社会問題になると思いますけど、悪い園児の監禁部屋としても使われていました。

その部屋に友達を連れ込んで、お互いに髪の毛を切りあいっこして遊んでたんです。
最初は床屋ごっこみたいにハサミでチョキンチョキンと切る真似だけしてたんです。
でも魔がさして本当に切ってみると、切る側も切られる側もすごく面白くって、二人で大笑いしながらかわりばんこで切り合いました。

最初はほんの少し切ってただけなんですが、だんだんエスカレートしてきて僕は友達の髪をかなり大胆にカットしていきました。
友達の頭は髪がない場所と全然切ってない場所がまだらになって、子供ながら、取り返しのつかない状態にしてしまったなあってことは理解していました。
それでも友達はゲラゲラと嬉しそうに笑っています。

これだけのことをされて笑っているのですから、今なら何をやっても怒られないのでは?と思いました。
なにぶん素人のカットですから、左右のバランスが悪いんですよ。
全体的に右はモサッとしてて左が全然足りないみたいな。
右の耳がなければちょうどいいくらいかな?
僕は友達の右耳にハサミをいれました。

チョっキン

友達「ぐ……っ、ギャーっ!!!!」(泣)(泣)(泣)(泣)(泣)
友達は右耳をおさえて部屋を飛び出しました
やばっ!!先生に言い付けられる!!
僕はとっさの機転をきかせ、逆に自分が切られたふりをして、右耳をおさえて教室に駆け込みました。

そして友達が言うよりも先に
「うわ~ん、○○に耳切られた~!!」
先を越された友達は、わけがわからず泣くのも止めてきょとんとしています。

結局二人とも先生に怒られて、二人の耳の治療と、友達は虎刈りヘアーを丸坊主にされた後に、再び監禁部屋送りになりました。
監禁中に僕は何度も話しかけましたが、友達は無言でした。

不思議なのは僕のデマカセの耳の傷が本当の傷になっていたことです。
子供の純粋な心で強く念じたことが現実になったのでしょうか?
それともあいつ、僕が気づかないうちに先に僕の耳切ってやがったのか?

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