青い人

仕事が遅くなって車で後輩と帰る時の話し。

その日っても3年位前だと思う。
取り引き先との調整で帰りが深夜になり、疲れてます感全開で家路を急いでた。
最近、絆リゾートってフレーズで復活した施設があるトコから東京へ。
禁煙車だったから一服も兼ねたトイレ休憩で途中のPAに入ったんだ。

地方で、おまけに深夜だからガラガラの駐車場。
トイレ済まして車で後輩が戻って来るのを待ってた。
そしたら後輩が車に乗り込むなり「…青い人見えません?」って意味不明な事言ってきた。

青い人ってなんだよ?見えません?って何?って思いながら聞いてみると、後輩が指差した先に一台のBMW。
車内灯がついてて運転席にはオッサンらしき人が座って何かしてる。
確かにそのオッサンの事は車に戻った時にオレも見てる。
でも青くない。

よく見てもわかりません?って言われながらそのオッサンを凝視してたら後部座席からオッサンを覗き込むような姿勢の人影。
よく見てみるとその人影が確かに青いんだわ。

「見えました?…アレなんだと思います?」って聞いてきた。
「知らん、全身タイツ消せられてる罰ゲーム?」って適当に答えたら後輩、「…元々人だった何かなんです」って言うわけ。

いやいや、それならオレ霊感なんてないから見えないはず。
普通にオレにも見えてるし…てかこいつ疲れてるんだなぁ…って思いながら出発。
「あの人、長くないですよ…」とかボソっと言ってて、本気でこいつ大丈夫か?って心配になりましたw

夜中の地方の高速はガラガラで真っ暗。
疲れてるし、事故起こしても嫌だから、100キロ位で走ってたら、PAで見たBMWがスゲー勢いで追い越してったんだ。

それを見た後輩は「…この先気を付けてくださいね、もうどうにもできないから…」みたいな事を独り言のようにボソボソ言うわけ。
遠ざかってく車のテールランプ見ながら、こいつこんなキャラだったっけ???なに?不思議ちゃんキャラ??って。

で、テールランプが見えなくなるかならないか位の距離でいきなりBMWのヘッドライトがこっち向いて闇夜に消えてった。
一瞬理解不能。とりあえずハイビーム。よくわからんから減速。
「やっぱり…」
呟く後輩。今でもハッキリ覚えてる光景。

後続車なんていなかったけど、一応ハザード焚きながら減速しつつ走ってたら、横倒しで一車線塞いでるミニバン。散乱してる
何か。横向きに止まってるトラック達がライトに照らされて浮かび上がった。
マジかよ!?って叫んだと思う。
後輩は黙り込んでる。

なんとかぶつからないようにそこを抜けたら、さっきのBMWが中央分離帯に逆向きで突っ込んで止まってた。
他にも路肩に何台かの車が止まってたけど、全てが明かり一つつけてない。
もうね、後輩の言葉よりも事故の悲惨さに意識いっちゃって。
発煙筒焚いて、警察&救急に電話!って思い路肩に止めようとしたら、後輩が「止まらないでください、お願いですから」って言うわけ。

でもこのままスルーする訳にもいかないだろって言ったら、「大丈夫です、路肩に止まってた車は事故に巻き込まれてないから通報してくれてます。だからここから早く離れましょう。」って強い口調で言う後輩。
ルームミラー見たら赤灯が見えたし、じゃあ大丈夫かと思い言われるがままに現場を離れた。

気を落ち着かせる為に次のPAに入って一服しながら後輩に聞いてみた。
青い人ってなに?何かあるみたいな事言ってたけど、あれはなに??とかいろいろ質問…て言うか尋問してみた。
そしたら「昔からなんとなくわかるんです。人が死ぬなぁとか。特に青い人、アレに憑かれてる人は本当に死期が近いんですよ。」
見えるんなら助ける事って出来るんじゃないのか?って聞いたら、「そう思った時もあったけど、無理なんです。青い人に憑かれちゃうと。。自分はただ見えるだけだし…」って話してくれた。

なんで早く現場から離れたかったのか?
「青い人が車に乗ってきそうだったから」
なんでオレにも見えたかって質問には
「自分と波長が合う人は一緒にいると見えちゃう事があるんです。」
後輩、何度も何度も「すいません」って謝るんだよ。別に悪い事した訳でもないのに。
てかオレは単純にスゲー!としか思わなかったがw

走り出してから後輩が、いつも自分しか見えてなくて、本当は青い人はいなくて自分がオカシイだけなんじゃないかって思ってた。だから今回はなんかホッとしました1人で人の死を感じるのってキツイんですよ。って…。おいおい。。

もしかしたら何度も言ってた「すいません」はなくなった方へ向けてたのかなぁ…なんて今思った。
助けられなくて「すいません」…。

その後輩、出張続きの仕事が嫌で会社辞めちゃって、そのまま疎遠になったのが悔やまれるw案外、オカ板の住人だったりしないかな?

ただ、青い人?が元『人間』だったってのは冗談であってほしい。

本当に体験した霊体験1

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