おいでおいで

これは元カノA子から聞いた話。

A子が物心つきはじめたころのこと。
夕方、母が食事の支度をしている間一人で遊んでいると、洗濯機からにゅっと手が伸びていたという。

手はA子に向けておいでおいでをしている。
A子は興味津々で近づくが洗濯機の口には背が届かず、中を見ることはできない。
手はにゅっと突き出たままで、おいでおいでをしている。

そのうち、洗濯機の口のほうから
「A子ちゃんはいい子だね、遊んであげるから玄関から踏み台を持っておいで」
と男の声が聞こえた。

A子は言われるがまま、一生懸命踏み台を運びそれに登ると洗濯機の中が見えた。
洗濯機には水が張っており、手はすでになかった。
しかしA子は気になって仕方がない。
そのまま上体を傾け洗濯機の中身をさらに覗こうとしたとき、祖父に止められ抱き抱えられた。

祖父と母にこっぴどく叱られ、手の話は出来なかったが、A子はそれからしばらくの間、洗濯機には人が入っており、洗ってくれているものだと考えていたとか。
それから二度と手を見ることはなかったという。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?274

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