人里から車で20分くらいかけた山奥にがあって、俺の地元では心霊スポットとして有名なんだが、ある夜、俺は罰ゲームとしてその廃旅館に一人で心霊写真を撮りに行かされた。
灯りひとつ無いガタガタの山道を車で進み、目的の廃旅館に着き、カメラと懐中電灯持って車から出た。
玄関のガラスは枠しか残ってないほど綺麗に割られ、そこから簡単に中に入れた。
真っ暗のロビーで、懐中電灯の弱々しい光で照らされた掛け軸が不気味で急に尿意を催してきた。(精神的に不安になると尿意を催すタイプの俺)
とりあえずロビーの壁に小便をお見舞いした。
さて、気を取り直して前に進もうとするがやっぱり怖いので、下ネタを叫んで行進することに。(霊は下ネタを嫌がると聞いたことがあるので……)
「う○こ!」「セッ○ス!」「ク○ニリン○ス!」
卑猥な言葉が廃旅館にこだまする。
すると突然、階段の上から声がしてきた………
「プッ…ククク…アハ…アハハハ…」
懐中電灯を階段の上に向けるとカップルと思しき若い男女が笑っていた。
(な…なんだと……ずっと俺の奇行を眺めていたのか………小便も見られてたのか///)
恥ずかしくなった俺は写真を撮るのも忘れ、車に戻って帰ってしまった。
しかし、よくよく考えてみるとあの時、俺の車以外にカップルの車と思しき車は一台も見かけなかった。
まさか真っ暗な夜にあんな山奥まで何時間もかけて歩くバカップルが存在するだろうか?
じゃあ俺が見たあのカップルはいったい何だったのか?
俺の人生史に残る謎である。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?256