実際に起こった話(らしい)。
明治の初めの頃。天気の日であった。
突然、落雷のような轟音が響き渡り、人々は驚いて家を飛び出した。
上空には一本、棒のような白い雲が尾を曳いていたが、それ以外は何も変わることのない、ただの青空だった。
大人たちが不思議がっていると、近くで遊んでいた子供たちが悲鳴を上げた。
「あれあれ、ヤタザル(海馬を入れるザル)のような頭に二本の角がある化け物が飛んでくる!」
子供たちは恐慌状態に陥って大人たちの足にすがり付いて泣き始めたが、大人たちには何も見えない。ただ青空に一本の雲があるだけである。
と、突然その雲の先がするすると地上に降りてきたかと思うと、大人たちの頭上をかすめ、村はずれの西畑というところに落下した。
大人たちはまた驚き、急いで墜落地点に向かった。
大人たちが駆けつけると、西畑の田んぼに、クレーターのような大穴がぽっかりと空いていた。
しかし、やはりそれ以外はやはりなにもない、いつもどおりの田んぼであったという。
ちなみにバアちゃんもこの件については家族に聞かされて知ってるらしい。
ばあちゃんの話によると、「昔、傘に尾のついたものが空を飛んでいった」らしい。
ちなみに昼間のことだったという。
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