鳥の鳴き声

山岳部時代の後輩から聞いた話です。

彼は鳥が好きで、山岳部に入部してきました。
なので、一年中、山に登るときは録音の出来るウォークマンを持ち歩いていました。
その彼がある山にキャンプに行った時のことです。

夜の鳥の鳴き声を録音しようと思い、夜になってからテントを出て、キャンプ場から離れた場所にウォークマンを持っていって録音していました。
結構長めのテープだったので、録音ボタンを押したあとはテントに戻り、翌朝、回収しに行ったそうです。

翌朝、回収しに行き、テープを再生してみると鳥の鳴き声が入っていて、ちゃんと録音できたと思ったそうです。
その日の昼に山を降り、帰りの電車で昨夜のテープを聴いていると、鳥の鳴き声の中に聞いたことが無いものが入っていました。
「ヒヒヒヒ、ヒヒヒヒ」と言う、笑い声のような鳴き声です。

「なんて鳥の鳴き声なんだ?」と思い聞き続けていると、その声が一つではなく、増えているのです。
「ヒヒヒヒ、ヒヒヒヒ」と鳴き声ばかり聞こえてくるようになりました。
気味が悪くなり、「先生、これ、なんて鳥の鳴き声ですか?」
と顧問に聞かせてみると、「おい、これは人の声じゃないか?」
確かに人の声のように聞こえました。
よく聞いてみると子供のような高い声もあれば、しわがれた声も入っています。

「おい、このテープいつ録音したんだ?」と顧問に聞かれ
「昨日の夜です。キャンプ場の近くの茂みにセットました。」
と言うと、顧問は苦い顔をして
「あのな、あの山は昔から神隠しのある山って言われてるんだよ。そうじゃなくても城跡があったりといわくが多いんだよ。それにな、夜の山にはなにがいるかわからん、今度から夜になってからは録音するのはやめとけ。」
と、怒られたそうです。

そのテープは神社に持っていき、彼とテープも御祓いをしてもらい、テープはそのまま預けてきました。
今でも、鳥の声を録音することはあるそうです、しかし、もう夜は絶対に録音しないと決めたそうです。

山にまつわる怖い話32

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