広場の子供

俺がまだ小学生だったころなんだけど、夏休みに家族で山へキャンプにいったときの話。

晩ごはんも終え、少しキャンプ場の周りを散歩しようと思い、弟を連れてテントを出た。
キャンプ場内の道を少し進むと、開けた広場のようなところに出た。

とはいえ夏休みだったので、べつに子供がたくさんいることを不思議には思わなかったが、子供たちの様子が少し変だっ子供たちは広場の縁にそって座っており、皆三角座りで俯いたまま。
そして広場の中心には錆びかけたタイヤのない車(名前がわからないが形はアトレイみたいな感じ)があり、その中に三人の子供が乗っていた。

よく見るとその三人は手にオモチャのトランペットのようなものを持っているのが見えた。
すると、いきなりその三人が言葉にならない声で叫びそしてトランペットを吹きならした。
するといきなり、車のそばから花火が上がった。
俺と弟は叫んでは花火が上がる、奇妙な光景に呆然としていたが、なんとなく怖く思い、テントに戻った。

テントに戻る途中、弟が俺に「なんであの人たち、あんなことしてるの?」と聞いてきた。
俺はその時何故か「あの子供たちは新興宗教の子供会かなにかで来ているのだ」と考え、そう答えた。
弟はまだ小さかったので、俺の言葉を理解できなかったようだが、兄がそういうならそういうものなのだろうと思ったそうだ。

そして次の日の朝。昨晩テントに帰ってすぐに母にその出来事を話していたので、その そんな広場など、存在しなかった

母は子供のことだからと気にしなかったが、俺と弟は山を降りるまで怖くて泣きそうだった。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?205

シェアする