祖母は、毎日仏壇に手を合わせてお経をあげるような、信心深い人だ。
参拝に山を登ることもよくあった。
80を過ぎるまで大きな病気もせず、畑仕事に勤しんでいた祖母。
そんな彼女が、脳梗塞で倒れ、一人で座ることもままならなくなったのは数ヶ月前のことだ。
そして、リハビリが終わり次第、自宅療養に切り替えることが決まった。
自宅療養に向け、家のリフォームも慌ただしく始まった。
私は実家を離れているため、ここから先は母から聞いた話となる。
母は、リフォームついでにと、築50年以上の家の大掃除を始めた。
基本的に大雑把で適当な血筋、しかも田舎でだだっ広い家のため、母は余りにも壮絶な経験をしたらしい。
ネズミの死骸やら、生きたイモリやらが出てきたり、十数年も使わずに放置されたトイレの掃除はそうないだろう…。
しかし、それら以上に驚くものを母は発見した。
今はほぼ使われていない棚、その中にあった古びた段ボール。
開けてみると…なんと、位牌が入っていた!!
それも、3つ。今は亡き祖父の父母のものと、水子のものだそうだ。
乱雑に半世紀近く放置されたであろう位牌に仰天した母は、その日のうちに寺に相談し、とりあえずの措置をとったらしい。
どうやら、障抜き?も行っていないものだったとか…
そこまで話を聞いた私は、信心深いはずの祖母が、何故?と母に尋ねた。
確かに粗野ではあるが、仏様を第一に考える人のはずだ。
そしたら母は苦笑して、「お義母さんはね、手当たり次第なのよ。」と言った。
仏壇の隣に神棚を置いたり(そう言えばそうだった)、数種の神社を巡って頂いた本を仏壇の棚にしまったり、沢山の神様仏様が同居するような部屋を作り上げていた。
そしてそれにお参りはするが、特にずっと大切にするふうでもなく、ころころと神様仏様の鞍替えをしていた。
であるから、一度供養をしたもの(=位牌)にそんな扱いができたのかと…。
一連の話を聞いて私はぞっとしてしまった。
日本の神様は寛大というが、よくも怒りをこれまで受けなかったものだと…。
そして、半世紀過ぎてようやく弔って貰える曾祖父母に思いを馳せた。
酷い扱いをした祖母ではあるが、あと10年位は見守っていて欲しい。と思う。
あとかーちゃん、本当にお疲れさま…。
907 ID:7/58jegv0
これは分かる人には分かる怖い話ですね。
ゾッとしますた。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?204