俺のじいちゃんが戦争中に山で体験した話
じいちゃんは戦時中に看護兵として旧日本軍にいた。
その日は別のキャンプに山を越えて移動する予定だった。
その途中、知り合いの鈴木(仮名)を山の途中で見かけたが、鈴木は何かを探しているのか一心不乱に地面を掘っている様だった。
元々変わり者だったらしく、その時は特に気にしなかったらしい。
その日は無事にキャンプに着くことが出来て安心していたが、そこのキャンプには全身火傷で変わり果てた鈴木が寝ていた。
山の途中で見かけたのにこんなに早く到着しているわけはなく、見間違うわけもない(鈴木の腕にはあまり見かけないお守りがっ縫ってあった)
不思議に思って尋ねようとしたが鈴木はとても喋れる状態では無かった。
次の日敵軍の急襲にあった。
看護兵なのでとりあえずある程度のところまで逃げなければならないらしく、山中を必死に走って逃げた。
すると急に落とし穴に落ちてじいちゃんは意識を失った。
銃弾を腹に2発程度撃たれてはいたが致命傷にはならず、何とか敵軍が消えるのを待つことができた。
静かになり外に出ると同じように数人が穴に落ちて助かったらしい。
後から気づいたらしいがその穴には鈴木の私物(小物)が落ちていた・・・
戦時中のその山では、死んだ者や負傷した者の生前の元気な姿を遠くに見る人が多いらしい。
山にまつわる怖い話36