痴女

こいつはキャバクラの店長から聞いた話。

会社員の男は、仲間と飲み会の帰り、かなり酔っ払って自宅へ向かっていたが、途中から一人の女が後ろを付いてくるのに気が付いた。
チラ見すると、紙袋を持った女で、地味な顔立ちだったが出るとこは出てる、まあまあ良い体つきの女だった。

公園を通る時、尿意も有って公衆便所に入ったんだそうだ。
酔いがまわっていた男は、アダルトビデオの痴女物なんかを思い出して付いて来ねえかな?なんて馬鹿な事を思って、後ろを振り返った。

一瞬だったが女と目が合ったんだそうだ。

「あの女、ノックしてきたりして・・・へへ」
馬鹿な妄想たくましく個室に入った男は、用を足した後聞き耳を立てて、様子を伺っていたが、しばらくすると便器に座ったまま眠りこんでしまった。

寒気がしたのと、外で怒鳴り声がしたのと、目が覚めたのは同時だったらしい。

ドスンという音と、『大人しくしろ!』って怒鳴り声がしていた。

何がなにやら分からずに、慌ててドアを開けると便所の中に制服の警官が居て、床の上で暴れてるヤツを押さえてる。

白い足がバタバタしてるのと、紙袋が目に入った。

早朝パトロールしていた警官が、公衆便所の個室によじ登っていた人影が見えたため、覗きに来ると、男子便所の中で女が個室の壁に上がって隣の個室を覗き込んでいたという。
慌てて取り押さえようとすると、女は紙袋からハサミを取り出して警官に切りつけたそうだ。

ビックリ仰天の男は、辺りが明るくなっているのに気が付いた。
深夜の数時間のあいだ、眠りこけてる自分をずっとハサミを持った女が個室の上からジッと見ていたらしい。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?201

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