二十歳の時、博多の賃貸マンションで一人暮らししてた時の事。
ある日母が遊びに来て、ちょっとコンビニに行ってくると出かけていった。
しばらくたって、一階のロビーからインターホンから鳴らされた。
相手が母である事を確認し、一階入り口のオートロックを解除。
その時、部屋の玄関入り口の鍵も開けておいた。
一階のオートロックを解除した後はいつもそうしているし、その事は母も知っているので、母は玄関のインターホンは鳴らさずにそのまま入ってくる筈。
しかし数分後、ピンポーン♪と玄関のインターホンの音。
「?」
と思っていると、突然、ピンポンピンポンピンポーン!!ピンポンピンポーン!ピンポーン!と、何度も何度も繰り返し呼び出し音が鳴り響いた。
うちの母はたまにこういうワケのわからない悪戯をするんだけれど、何だかキチ○イじみてる位のしつこさで、私はとっさにものすご~く腹が立って、怒鳴りながらドアを開けた。
「ふざけんな!!いい加減にしろっ!!!」
しかし、私が怒鳴った相手は母では無く、見ず知らずのおじさん。
40手前くらいで、小柄、薄毛、そして手にはナイフ(ごく小型のペーパーナイフとナイフの中間みたいな…)。
瞬間、固まる私。
しかし男性は私の怒鳴り声に気合い負けしたのか(?)、エスカレーターの方へ走り去った。
あっけにとられていると、母が帰宅。階段を使ったのでさっきの男性とは会っていないみたいだ。
未だに謎なんだけど、一体何だったんだろう?
泥棒が留守を確認してたにしては、やり方が異常だと思うし。
何より、あの時私がドアの覗き穴で確認して開けるのためらってたら、母と男はち合わせしてたかもしれない。
恐い…。
ほんのりと怖い話26