竹細工のバック

今から10年前の中学1年生の時の話です。

秋田県に住む婆ちゃんに会いに独りで東京から電車で向かいました。
秋田県の駅名は覚えてないんですが、駅に着くと親戚の叔父が車で迎えに来てくれて、そこから2時間くらいかな?
山をいくつも越え婆ちゃんの住む家に到着。
当時80歳の婆ちゃんにしては元気で腰も曲がっておらず、薪を斧のようなものでバシバシ割っていた記憶がハッキリとしています。

婆ちゃん久し振りですと挨拶すると、大きくなったな~と頭ナデナデされ、家に荷物を置き
婆ちゃんがオニギリを出してくれた。
食べようと手を伸ばすと、待ちなさい、まだ狐様と山神様が来てないからね、と言われ、婆ちゃんボケたな~と思いつつしばらく正座で待たされた。

ここから目を疑う光景が玄関に狐と蛇が来たんだ。
え?と思いつつ狐が卓袱台のオニギリを1つパクッと食べた。
山神さんにオニギリ渡しなさいと言われて、オニギリを玄関にいる蛇の前に置いた。
(滅茶苦茶ビビりながら)
蛇は食べずにオニギリの周りを一周していなくなった。
な、なんなんだ?おっかね~と思いながら婆ちゃんは当たり前な顔して、おあがんなさいと言われて腹一杯オニギリを食いました。
食休みして遊びに行こうとしたら婆ちゃんに言われた注意事項!

山で暗くまで遊んで迷ったら葉っぱを一枚食べて一番大きな木の下にいなさい!
川で遊ぶなら石を投げたりしないこと、深い所には行かないこと!
夕方過ぎに道狐様に会ったらきちんと頭下げること!

面倒だな~と思いながら近所の川に遊びに行った。
水が綺麗で川の流れをぼけーっと眺めてたら反対岸に狐が2匹いた!
面倒くさいけど婆ちゃんに言われた通りに頭を下げた。 
次の瞬間から記憶がない。 
次の記憶が何故か家の前にいて竹細工のバックを持っていて、そのバックには桑の実があり得ないくらい入っていた!

怖くなって婆ちゃんを呼ぶと、頭ナデナデしながら狐様が下さったと、次の日からお化けや妖怪を信じるようになった。

ちなみに竹細工のバックは婆ちゃんが亡くなるまで大切に婆ちゃんが使ってた。

不可解な体験、謎な話~enigma~ 57

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