人形の呪い

幼い頃、実家の改築でお祖母さん家に半年くらい住んでた。
お祖母さん家には日本人形やこけしなど、古い置物が沢山あった。
初めは怖くて近づかなかったけど、いつの間にかその人形達と遊ぶようになった。

そんなある日、一体の人形のズラを取り、頭に×って悪戯書きをした。そして忘れた。
その数日後、自転車に乗ってて溝に自転車ごとダイブした俺。
頭に大きく×形のハゲが出来た。
小学の頃の髪形は坊ちゃん刈りだったからハゲの存在を忘れてた。
中学になったら校則で坊主って決まってたので坊主にしたら×形のハゲが出てきた.....
それが原因でバツハゲ→ペケハゲ→ペゲってあだ名がついた。

中三になった頃、お祖母さんが我が家に引っ越しする事になり、お祖母さんの家の片付けなど手伝いに行った。
俺は人形の処分を頼まれて人形をダンボール箱に放り込んでいた。
あの人形に手を掛けた時人形のズラが落ち、悪戯書きが姿を現した。

俺は昔の出来事を思い出しガクブルした。
悪戯書きを消し、乱暴に放り込んだ人形達をもう一度出し、丁寧に箱詰めした。
悪戯書きは完全には消えなかったけど、人形に心から謝った。

俺は親に人形の処分を止めるよう頼んだが、数が多く置き場所に困るとの事で神社にて供養してもらう事にした。
あの人形は俺の部屋に飾った。

高校に入ると、髪を再び伸ばし×ハゲも目立たなくなり、ペゲってあだ名も過去となった。
大学は親元を離れ独り暮らしで、休みはバイトなどで実家にはほとんど帰らなかった。

就職も決まり、久しぶりに実家に帰ると俺は愕然とした。
あの人形を親が処分していた。
不気味だったかららしい。
しかしそれといった被害も無いし、今さら坊主になる事も無いだろうと思い気にしない事にした。
実際何も起こること無く平和過ごした。

しかし悲劇は突然とやって来る。

就職先の同期に中学の同級生がいた。
そいつにペゲって呼ばれた。
みんなに広まった。
あの人形の呪いかは定かでは無い。

俺は再びペゲって呼ばれるようになった。

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