8の字

子供の頃、爺さんが亡くなった。

亡くなってから丸1年経った一周忌に合わせて法事を行った。
その日の晩、寝ていると深夜2時半の少し前くらいに目が覚めた。

寝ぼけてボーっとしながら、見るともなしに何となく目を開けていた。
直ぐに視界の端で何かが動いているのが分かった。

なんだろう?

そう思って動くものを見ると、ピンポン玉より一回り大きい、卵大の光るモノがゆっくりと動いていたのだ。
床から1.5m位の高さを、最初は水平方向に約1m程度の幅でゆっくり移動し、(端から端までを10秒くらいかけて動く)そのうち横に倒した「8の字」を描くように動き出す。 
横にした「8の字」の縦幅が大きくなるにつれ、横の幅は狭まっていく。

遂には完全に垂直方向を上下に動くようになったが、少しするとまた横方向に拡がりだし、横向きの8の字を描き出して、最終的には水平方向…
そして又縦方向へと動きが出てくる…

これを暫く繰り返していた。
その間、怖いとも思わずにただひたすら発行体を見ていた。

そして再び垂直方向に動き、完全に真っ直ぐ縦に動くと思った時に、それまで止まっていた上端の位置を通り越え、真っ直ぐと上へ…
そのまま天井をすり抜けるように消えてしまった…

あれって人魂?死んだ爺さん?

不可解な体験、謎な話~enigma~ 65

シェアする