おれが小さい頃体験した話。
小学校に上がる前か、小学校低学年の時のことなのか記憶が曖昧なんだが…。
その当時おれは悪いことをすると母親にこっぴどく叱られ、よく家の外に閉め出されていた。
妙な体験をしたその時も、夜8時か9時くらいだろうか、玄関先の庭に閉め出されていた。
おれはわんわんと泣きじゃくっていたんだけど、ふと気付くと『そいつ』はいた。
人型をした影のようなものだった。
身長は150センチくらいだろうか。
影といっても全身真っ黒ではなくて、テレビの砂嵐のような、なんつーかテレビの砂嵐がそのまま人型になったようなものだった。
砂嵐の色は金色に近いような感じだった。
俺はそいつに庭の中をぐるぐると追い回された。(庭は5メートル四方の小さい庭)
俺はギャーギャー泣き叫びながら逃げ回った。
何回か腕や型を掴まれたが、振りほどいて必死で逃げまくった。
捕まったら何処か怖いところへ連れていかれるような気がしてならなかった。
相当でかい声で泣き叫んでいたと思うんだが、家族でさえ誰も助けにきてはくれなかった。
異常なまでの俺の声が聞こえなかったのだろうか?
人型砂嵐のそいつからは、
ザー…ザ…ザ…ザー…ザ…ザー
というテレビの砂嵐のような音が、途切れ途切れに聞こえていた。
その後どうなったのかは覚えていない。記憶がなくなっているみたいで思い出せない。
家族に聞いても『そんなものは知らん』と言われるだけだった。
もしかしたら夢だったのかしれないが、23歳になった今でも『そいつ』のことはハッキリと覚えている。
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