12月4日。
この雪山に遭難して約24時間。
古い山小屋ではロクに暖も取れず、少々寒いが外で過ごす事は出来ない。
助けはすぐに来るに違いないだろう。
12月6日。助けはまだ来ない。
この吹雪だから捜索が難航しているのだろう。
落ち着いて待つ事にする。
・時計が壊れてしまったので、日にちが分からない。
食料が少しずつ減ってきた。
水は雪を何とかして得られるが、空腹は辛いだろう。
吹雪 はまだ止まない。
・ドアからかぜがはいってくる。
防寒ふくを多めに着ていてよかた。
てがふるるえて上手く文字をかけないが、しかし私はあきらめない。
あきらめたら終わりだ。
・何という事だろう、あれほど吹いていた吹雪が嘘のように止み、私は救出隊に発見された。
彼らに聞くと、12月12日だという。
少し長い遭難体験だったが、もう終わりだ。
この日記は、ここに置いていこうと思う。
もし、ここで遭難してこれを読んだ者がいるなら、私は言いたい。
決して諦めるな。助けは必ず来るのだから!
12月12日 ○○○○
--------
日記の文字は時間を重ねるごとに筆圧が弱くなっていたが、最後のメッセージだけは希望に溢れたようにしっかりしていた。
尚、連日に渡る猛吹雪のため、捜索が再開されたのは、それが少し弱まった12月14日の明朝の事である。
この日記の書き手、彼の遭難者の行方は、現在も行方不明、とのこと。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?129